ジャズ・エイジはアスピリン・エイジ

 大正9年から昭和4年までの10年間、つまり1920年代という時代。
 歴史年表を開いてみると、第1次世界大戦 を終えて、国際連盟が成立したのが1920年。そして、1929年には世界的な経済恐慌が始まっている。
 この2つの出来事にはさまれるようにしてある1920年代というのは、不安定ではあったけれど、一応は平和で、さまざまな文化・風俗・流行が華やかに輝くことのできた時代だったのかもしれない。
 そして、それは、もうすぐ終わろうとしている20世紀の本当の幕開けとなった時代のようにも思える。
 さて、この1920年代を、アメリカではジャズ・エイジと呼んでいる。
 当時のアメリカといえば、ご承知のとおり禁酒法とギャングたちの時代。
 禁酒法が実施されたのは、1920年1月16日。この禁酒法のおかげで大きく飛躍したのがシカゴのギャングたち。ヤミの酒場でのマシンガンの炸裂と、チャールストンジャズ。かの、アル・カポネがいた時代。
 1929年10月24日、ウォール街で株価の 大暴落が起きるまでの、うたかたの年月。
 それは、ジャズ・エイジの作家、スコット・フィッツジェラルドの小説に見られるように、スノッブなパーティが連日連夜つづいているような時代。
 健康だったのか、不健康だったのか、この ジャズ・エイジが別名アスピリン・エイジと 呼ばれるのは、実際、頭痛薬の欠かせない時代だったからだという。



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